× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
![]() |
失うものなんてないさ、なぁそうだろう?
私がこの曲の中に「……叫び声が聞こえる気がする」と言い出したのは、卒業旅行中、大阪のホテルででした。 スバル嬢が持っていたウォークマンで4人で真顔で試聴。 最終的に、4人中二人に「……ギターの音じゃね?」といわれました。別に私も霊的な期待をしてた訳じゃないが。 でもやっぱり、聞いてると妙にひっかかるんだよなー。ギターだろうがなんだろうが、これ、逆効果だと思うんだぜ。BGMとして聞いてても、その瞬間、意識が曲に向いちゃう。 二番か、その後の「らいひあ、らいなう!(ばーん)ぶっぱなせ」の辺りで「びょーん」という感じに聞こえます。お手持ちの方はどうぞ。(びょーん、て) *************************** つなびにも写真一枚あげましたが、クライミング体験してきました。 あのね、凄いよ。当たり前だけど、本当に高い。 腰に紐をつける。紐の先はずっと壁の上まで伸びていて、天井と壁の境目で金具を通りUターン。 そして、地面に帰ってきている。 その紐を、パートナーの腰の金具に取り付ける。 そして、登り始めるのです。 完全に、身一つ。ヘルメット?何それ。私の腰に付けられたこのバンドだけが命綱ですよ。 壁に色とりどり、大きさもバラバラな岩が設置してあって、それを登ります。なんでも登ればいいわけじゃない。コースがある。黄色い石しか使っちゃいけないとか、そういうルール。 自分の体って、びっくりするほど重い。登り始めて10秒くらいでひょいひょいっと5メートルくらいまで行ける。下を見る余裕もある。友達が、私が垂直に落下した時に巻き込まれないよう、少し離れたところでロープを張ってくれているのを見たり、他の上級者が凄い体勢で登っているのを眺めたり。 でも、そこから、だんだん現実が襲ってくる。 自分の両手と両足、その四箇所だけで、自分の体重すべてを支える。 途中で休憩する場所なんか無い。本当に目の前の壁と、両手両足を乗せている石だけが世界。 結構平気なんだ。小さいころとかフェンスや木を散々登ったりしたし、そんなこと思い出しながら10メートルくらい登る。ふと、ここから落ちたらどうなるだろうって思う。 だって、壁だ。完全な壁。 辛くなっても、冗談抜きに何の休憩ポイントもないんだ。背中を預けるところもないし、変なところで止まっちゃうと、小さい岩つかんだ無理な状況で静止とか、片足の行き場が無くて二進も三進もいかなくなっちゃう。 あぁ、もうちょっと上に掴みやすそうなのがある。あそこまで手を伸ばしたら少し楽になれる、でもあそこに行くなら同時に右足を今、ももの高さにあるとこまで一気に持ち上げなきゃ。その瞬間、岩にたどり着くまでの数秒、地面から10メートルの高さで片手と片足だけでこの体を支えることになる。そもそもあそこまで私の手は届くだろうか。 そこまで行くと、手から汗とか出てきて、あぁ、この岩でなんとか体重支えてるのにどんどん手がすべる!落ちる!怖い! 足元と背中は、びっくりするほど何も無い空間で、目の前は凄い圧迫感。手が、足が、汗が、うわあああ、止まりたい、止まれない、って思う。 混乱し始めて、自分の息が乱れてるのも判って、でも何処か冷静に「あの漫画のキャラ、崖から落ちそうになった時、こんな気分だったのかなー」って思う。でもそういうシチュエーション、瞬時に幾つか思いついたけど、大体その後、ずるっと手が滑って落下するんだよねーと嫌なことまで思い出す。 上見上げて、横見て、自分の色の岩を探して。あと二つ上が天井ギリギリ最後の黄色、つまりはゴール。下から「神太ちゃん頑張れ!」「右足、次は膝のとこにある岩!」って教えてくれる声。足元をそーっと見ると、確かに色の付いた岩。……同時に、三階分位ある空間と遥か遠い床。 あー、私、高所恐怖症じゃないけど、自分の体だけって、心細いもんだなぁ。 ジェットコースターみたいに乗り物で上がってくるんじゃない、指が汗で滑ったら問答無用で落下コースだ。 もう無理、もう無理!って思いつつ、必死で最後の岩に両手で捕まる。私らがチャレンジできる壁の最高ポジション。天井が目の前。約15メートル。 「テンション!!!!」 てっぺんまで着きました。もしくは、もう限界です、の合図。 それを聞いたら下の友人は一気に残りの縄を金具に巻き取らせ、ギリギリまで張る。 「OKだよー!」 「了解、ぶら下がります!」 両手で、腰から伸びる紐にぶら下がる。足も楽になる。 天井から紐一本でぶら下がる。 下で友人が金具を緩めてくれる。ゆっくり下降。消防士みたいに、とーん、とーん、と壁を蹴りながら下降。 あぁ、気持ちがいい。この瞬間、本当に気持ちがいい。 うっかり金具緩めるスピードが速まった日には、一気に数メートル「落下」に近い感じになって血の気引くけど。その辺はご愛嬌。うっかりスピード速まっても、一応安全弁で止まるようになってる。 着地! プーさんの映画に出てくるラビットじゃないけど、地面を抱きしめて「あぁ……麗しき大地よ……!」ってやりたくなる。 そして生還できた喜びに、一気にテンション上がる。 「うぁー、辛い!めっちゃ辛い!」 「だよね!あそこの部分の岩、場所卑怯じゃない!?」 「そうそう、あとあの右側んとこ、自分の影になって全く足元見えないの!」 「だいたいあの辺から色んなところがブルブルしだすよね(笑)!」 「だよねー!」 「あと、あの辺!下から場所叫んでくれてるけど、上に居ると「見えるから!見えるけど行けないんだよ!!」って思うの!」 「そうなんだよ、下に居ると近く見えるけど、実際にやってると「無理だって!」って思うのね!」 あぁ、同じ戦場(?)をくぐった者同士の会話。 まぁ、命綱付いてるから途中で汗で滑って手ぇ外れようが、ほとんど落下なくその場にぶら下がるんですけどね。 でも、何度かその体験をしてみないことには、「あぁ、手ぇ滑ったら本当にやばい、でももう限界」っていう恐怖は薄れないと思う。幸か不幸か落下しなかったため、いまだに「身一つで上りきらないと、背中からたたきつけられるかも」という恐怖はばっちり残っています。 結局4本くらい登ったのかな。 そのうち一回は途中でパニックに近い状況になり、もう駄目だパワーがあふれ出して、天井まで数メートルのところで「ごめん、もう駄目!ホントに動けん!テンション!」と助けを求めてしまった。情けない。 その時は、どうしよう片手に全く力が入らないマジで落ちる、と思ったのですが、降りてから、途中で指でなく爪で体重を支えてしまった瞬間があったのを思い出した。あー、爪の周りが出血。はがれなかっただけでもよしとするか。 爪を洗ってきたらはがれる様子も無く割れても居なくて多少の内出血ですみました。 でも、爪にしていたマニキュアは跡形も無く消えていた。あの一瞬で変な力かかって本来と違う形の爪になったから、バリアがやぶられるように、「ぱん!」って一瞬で砕けて消えたのかなーと思って、なんか笑えた。冷静に考えて笑い事じゃないけど。 その後も手をかばいつつ無茶はしない方向で数度登り。初心者用は幾つかクリアし、ぼーっと女三人、マットの上に座りながら他の人を眺めつつ世間話してみたり。この子たちと知り合ったサークル活動も、正活動はあと一回で終わり。短かったねー、サークル以外にも色々やったね、また遊ぼうね、と。しみじみ。 ところで上級者さん、壁通り越して、天井まで貼り付いて登ってるんですが、そこ、重力どうなってるのマジで。 「……なんかスパイダーマンだよね……」 「ていうかマジでどうなってんのアレ……なんで身一つで、天井に張り付いていられるの……?」 あの人たちを見ているだけで結構面白いです。落ちる瞬間とかヒヤッとするけど。 体力だけでなく、精神力、あとはコースを読む頭も必要なんだなと心底思いました。 どうしようもなくなって他の色の岩に足下ろしちゃうと、「あーもうヘタレか私!」って思う。 でも、あんだけ恐怖を味わっても、 ………………楽しかった。 楽しかった。自分の体を信じてるな、って思った。相棒だと思った。 とてもチャレンジできないようなコースが沢山あったり、私らがやったように「上からロープがある」じゃなく、「自分で上りながらロープをかけていく」というやり方とかもあるようですが、まぁ、初心者なので。 怪我をせずにゆっくりと目の前の壁にチャレンジしていくのが正しいと思う。(怪我、したけど) しかし、本当に面白い場所を教えていただいた。 怖い目にあっていながら、また間違いなく行くだろうと思う。 今までやったスポーツの中で、なんつーか、物凄く「ストイック」な運動だと思いました。 登るだけなのに。 不思議な魅力。 今、全身にほんの少し、筋肉痛来てます。激しくは無いけど、全身ほんのり。あぁ、私の体にはこんなに沢山、普段使っていない筋肉があったんだな。 PR |
![]() |
![]() |
|
![]() |
トラックバックURL
|
![]() |
忍者ブログ [PR] |