N野県はともかく、周りのC葉県やI知県も凄いことになっているのに、全く降りません。
こんな県だから「雪見遠足」が定着したんだろうな。
他の県だったら観に行く必要ないもんな。
さて。
ちょっと、思い出した話を書こうと思います。
別に楽しくは無いけど、お暇な方は、お付き合い下さいませ。
私は本も舞台も好きだが、正直、あまり内容を覚えていない人間だ。
よほどお気に入りのものでも無い限り、推理小説は犯人を忘れるしトリックも忘れる。
気に入った舞台DVDやアニメは何十回も再生するからほとんどの台詞を覚えるが、そこまででなければ、数年前に自分が関わった舞台のストーリーすら余裕で忘れる。
ところが。
数年前に観た舞台の夢を見た。
某セミプロ劇団。
私はこの劇団に全く関わりが無く、その時も、関わっていた劇団協会に頼まれてただの手伝いで行っただけで、役者も一人も知らず、完全に「外部」の人間だった。
任された仕事は「場内整理」。よくやりに行った。会場の端に立ち、客席全体を見張る。具合の悪そうな観客が居たら近くに行って小声で様子を尋ね、途中入場してくる観客が居たら、暗転以外のシーンを狙い、ペンライトで客の足元を照らしながら、空いている席に誘導する。
基本的に舞台を見ていても構わないが、客席から目を離してはいけない仕事。
舞台を見ることが出来るので、外部の人間にまわされることが多い。バイト代の代わりに、ただで観劇していけよ、というやつだ。
その舞台は、障害を持つ人の生活を描いた舞台で。
宣伝の一環かボランティアなのかは知らないが、本番の前日、公開リハーサルに、とある施設の方々を無料招待して、観て貰う、という企画だった。私が行ったのは、その公開リハーサルの手伝い。
役者はともかく、裏方、受付、そして手伝い一行は割りと緊張していた。
お客さんが(この言い方は好きではないが)健常者で無いのは、初めてだった。
受付は、聞き取りにくい発音から彼らの名前を聞き取って名簿と照らし合わせるのに苦労していた。
初の試みで舞台に「字幕」をつけるため、主に照明チームも何度も機材をチェックしては走り回っていた。
私の「場内整理」も、色々とイレギュラーだった。
予定よりも人数が増えたため、車椅子用の席が途中で足りなくなって座席を取り外しにかかった。
手話は出来ないので、首から筆談用の手帳とペンをぶら下げて、走り回った。
具合の悪くなるお客さんあり、途中入場が何人も続いたり、正直、舞台が始まってからもずっとバタバタしていてろくに舞台を見ていた記憶は無いのだが、それでもいまだにストーリーは頭に残っている。
ストーリーは簡単に言うと、
耳の聞こえない女性と、売れない作曲家の恋。
幼い頃に事故だか病気だかで音を失ったその女性は、耳は聞こえないが、声は出せる。(音が聴こえないので「言葉」は喋れないけど)
彼女の妹の所に家庭教師に来ていた作曲家の彼と、少しずつ恋に落ちて行く。
彼女は彼の声も聴けないし、彼も、自分の作った曲を、彼女に聴かせることは出来ない。
それでも、優しくお互いを思い合い、幸せな時間が続く。
クリスマス、彼は、彼女との待ち合わせ場所に急ぐ途中、事故に合ってしまう。
すぐ隣の道で鳴り響いている救急車の音に気付かず、彼女は待ち合わせ場所で待ち続けていた。
彼の鞄からは、彼女へのクリスマスプレゼントである、楽譜が出てくる。
遺品として渡されたそれを抱きしめて泣き暮らす彼女。
その後色々あって、妹の所属する劇団の舞台で、彼女はその歌を歌う。
耳が聞こえない彼女が、長い練習によって少しずつその音を取れるようになっていき、歌えるようになって行き、最後、舞台でその歌を歌って、幕。(だったような気がする)
この最後の歌が、鳥肌が立つほど上手くて、うっかり泣きそうになったもんです。
主役を演ったのが某ソプラノ歌手さんで、とにかく声が響いた。感動的だった。
実はCD持ってます。いまだに歌えます。
役者さんたちも大変だったと思いますよ。主役の彼女と関わりのある役は、全員、その台詞の手話必須。
まぁ、全然関係ないことをグダグダと書きましたが、その夢を見たんですよ。
観たのは、一番リアルに記憶しているワンシーン。
まだ、両想いになる前の、二人。
彼女に恋し、少しずつ手話を覚えてきた作曲家の彼が、とある台詞を言うシーン。
女性が携帯電話を弄るのを見て、「随分と古い型の携帯を使ってるんだね」と、筆談で話しかける。
「新しいのを使う意味が無いから」と返す彼女。
耳の聞こえない彼女にとっては、通話は関係ない。
着メロがどうだろうと意味が無いし、最新である必要は全く無い。
メールさえ出来れば、それだけでいい。
それを知り、彼は謝り、そして考え込む。
次に会う時、彼は彼女にプレゼントを渡す。
箱を開けると出てくるのは、最新式の携帯電話。
嬉しいけれども、同時に哀しそうな顔をして、携帯を返そうとする彼女。
それを無理やり押しとどめて、彼はその新しい携帯に自分の携帯から電話をかけ、「出て」と促す。
いやいやながら通話ボタンを押す彼女。
彼は手近なテーブルに自分の携帯を置き、携帯に向けて手話をしながら言う。
「ほら、テレビ電話だよ!これでいつでも、メールやファックスじゃなくて、会話が出来るね。」
それを聞いて(見て)、驚く彼女に、画面越しに手話で「こんにちは」って彼がやり、つられて彼女も携帯に向けて「こんにちは」の手話をして、そしてその後、彼女が泣き出すんですよ。
それだけ。
そのシーンの夢を見た。
私、このシーンを見て、初めて、テレビ電話を必要とする人はいるんだな、と思った。目から鱗だった。
この舞台の暫く前から、テレビ電話機能付き携帯電話が発売していて、声は外に丸ぎこえだし対面で恥ずかしいし、一体なんの役に立つんだそんな機能、と思っていた。正直、いらない機能だと思ってた。
なのに、役に立つんだ、と思った。
凄くびっくりした。目から鱗だったんだ。
こんな簡単な使い方に頭がいかずにいらないと思い込んでたのを、なんか情け無いと思ったし、とにかくびっくりした。
もう4年くらいは前になるのにな。
そんなシーンを突然夢に見て、本当にびっくりした。
当時聞いた話によると、実際にその話を書いた脚本家さんの友達が、そんなカップルだったそうです。言葉は交わせないけど、互いに家に居てもテレビ電話でちゃんとラブラブ会話(笑)が出来るそうです。
それだけなんですけどね、なんとなく、言いたかったんですよ。
この舞台を手伝った時のの感想は、たぶん、旧日記の相当昔に、大昔に書いた記憶がある。何年も経って同じシーンのこと書けて、なんか嬉しいです。
うーん、テレビ電話は必要だ。
そう思いながらロビーに出て、受付の机を見たら、協賛だったのか内容を聞きつけた営業さんが置いてったのか、DOKOM●の「テレビ電話付き携帯電話」のパンフレットがどーんと置いてあって苦笑してしまいましたけど。ええ話だったのに商売のネタがここに!と。
骨電動の携帯電話ってのが一時期出たけど、あれも、もしかして、耳が不自由でも音が聞こえるのかな。
そういう携帯が色々出ればいい。
その時も思ったし、今朝もそんなことをふと思いました。
結局何が言いたいのか自分でも良く判りませんが、そんな感じです。
いっこも面白い事無いのに読んでくださってありがとうございます。
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